オープンマリッジは
日本の法律でどう扱われる?
「オープンマリッジ 法律」「オープンマリッジ 不貞行為」「オープンマリッジ 契約書 効力」。夫婦で合意したうえで外の関係を認め合う形は、日本の法律の上ではどう見られるのか、と調べる人が増えています。結論から言うと、オープンマリッジという制度は日本の法律にはなく、合意があっても法的なリスクがゼロになるわけではありません。どこにリスクが残るのかを順番に整理します。
目次
オープンマリッジという制度は日本の法律に無い
このページは法律の一般的な考え方をまとめたもので、個別の事情についての法的な助言ではありません。実際に請求を受けた・請求したいときは、弁護士や法テラス(日本司法支援センター)に相談してください。法律の内容は2026年9月時点のものです。
日本の法律が定めている結婚は、民法上の婚姻だけです。重婚は禁止されていて(民法732条)、夫婦が互いに外の関係を認め合う「オープンマリッジ」を届け出たり、登録したりする仕組みはありません。
つまり、オープンマリッジは夫婦の間の取り決めであって、法律上の特別な婚姻の形ではありません。法律の上では、ほかの夫婦と同じ婚姻として扱われます。
では違法なのかというと、夫婦の間で外の関係を認め合うこと自体を罰する法律はありません。問題になるのは刑事の罰ではなく、民事の責任(慰謝料)と離婚の場面です。
オープンマリッジという言葉の意味や、ポリアモリーとの違いはオープンマリッジとはとポリアモリーとオープンマリッジの違いにまとめています。
不貞行為と慰謝料の基本
配偶者以外と体の関係を持つことは、法律上「不貞行為」と呼ばれます。不貞行為は、裁判で離婚を求められる理由の一つです(民法770条)。また、不貞行為によって夫婦の平穏が壊されたとして、配偶者は相手方に慰謝料を請求できる、というのが裁判所の基本的な考え方です。
既婚者どうしの出会い全般で、どこから慰謝料が問題になるかは既婚者マッチングは違法?慰謝料が問題になる境界線で扱っています。このページは、夫婦で「合意している」場合に絞って見ていきます。
夫婦で合意していれば慰謝料は請求されない?
オープンマリッジで一番気になるのはここだと思います。一般的には、配偶者自身が外の関係を認めていたのであれば、その配偶者が後から慰謝料を求めても、認められにくいと考えられています。自分で同意したことについて、権利を侵害されたとは言いにくいからです。
ただし、これで安心とは言い切れない理由がいくつかあります。
合意したことを証明できるか——口約束だけだと、関係がこじれたときに「そんな合意はしていない」と言われれば、言った言わないの争いになる。
合意の範囲がずれている——「食事までならいい」と「体の関係もいい」では意味がまったく違う。範囲が曖昧なまま始めると、相手の想定を超えた時点で合意の外になる。
合意は撤回できる——気持ちは変わる。配偶者が「もうやめてほしい」と伝えた後も関係を続ければ、その後は合意の無い関係として扱われうる。
合意が本心からのものだったか——離婚をちらつかせて同意させた、断れない状況だった、という事情があれば、合意があったとは評価されにくい。
合意の中身を二人でどう決めておくかは婚外恋愛にルールは必要?の7つの項目が参考になります。
合意書・誓約書・公正証書はどこまで効く?
「オープンマリッジ 契約書」「誓約書」で調べる人が多いのは、口約束の弱さを書面で補いたいからでしょう。書面について知っておきたいことは3つあります。
2026年4月から、夫婦間の契約は取り消しにくくなった——以前の民法754条は「夫婦間でした契約は、婚姻中いつでも取り消せる」と定めていた。この条文は2024年の民法改正で削除され、2026年4月1日から施行されている。夫婦の間の取り決めも、一般の契約に近い扱いになった。
ただし中身によっては無効になりうる——公序良俗(民法90条)に反する約束は無効になる。夫婦が互いに外の性的な関係を認める取り決めが、裁判でどう評価されるかは、はっきりした判断が見当たらない。書面にしたから必ず有効、とは考えないほうがいい。
公正証書にできるとは限らない——公証人は、法令に違反する事項や無効な法律行為について証書を作れない(公証人法26条)。内容によっては公証役場で断られることもある。
それでも書面を残す意味はあります。慰謝料の場面では、配偶者が同意していたという事実の証拠になるからです。日付・合意した範囲・撤回するときの伝え方を、二人とも納得したうえで残しておくのが現実的です。
自分たちの事情に合わせた書き方は、個別に弁護士に相談して決めてください。
見落としやすいのは「相手の配偶者」
自分の夫婦で合意していても、関係を持つ相手が既婚者なら、その相手の配偶者は何も同意していないかもしれません。この場合、相手の配偶者から見れば、あなたは不貞行為の相手方です。
オープンマリッジを実践している人どうしで出会うことは、実際にはそれほど多くありません。相手が「うちも公認だから」と言っても、それを確かめる方法はほとんど無いのが現実です。
相手の家庭の事情をどこまで聞いていいかは相手の家庭の話はどこまで聞いていい?で扱っています。
子ども・離婚・お金で考えておきたいこと
サジェストには「オープンマリッジ 妊娠したら」「子供への影響」「離婚」も並んでいます。法律の面で押さえておきたいのは次の点です。
- 婚姻中に妻が妊娠した子は、夫の子と推定される(民法772条)。血縁と戸籍の上の親子が食い違うと、後から大きな問題になる。避妊は二人の合意の前提にしておく。
- 合意していても離婚にはなりうる——気持ちが離れた、約束が守られなかった、という理由で夫婦関係が壊れれば、離婚の話し合いになる。そのとき合意書は、財産分与や親権を決めるものではない。
- お金の流れは分けておく——外の関係にかかる費用を家計から出していると、関係が終わったときや離婚のときに争いの種になる。
- 子どもに知られたときのことを決めておく——法律の問題ではないが、家族の問題としては一番重い。話すのか、話さないのか、夫婦で先に決めておく。
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