婚外恋愛の相手と
結婚したくなったら
婚外恋愛の相手と結婚したい、と思うことは珍しくありません。ただ、気持ちが固まっても、結婚するにはまず今の婚姻を終わらせる必要があり、そこには法律の手続きとお金の問題がついてきます。相手も既婚者なら、離婚は2組ぶん必要です。気持ちの面は別の記事で扱ったので、ここでは決める前に知っておきたい法律と現実の側を整理します。
結婚までに越えることになる段階
この記事は法律の一般的な仕組みを説明するもので、個別の事情についての法的な助言ではありません。実際に離婚や慰謝料の話を進めるときは、弁護士に相談してください。
婚外恋愛の相手と結婚するまでには、おおまかに次の段階があります。どれも一人の気持ちだけでは進みません。
自分の離婚——配偶者と離婚の合意をするか、合意できなければ調停・裁判に進む
相手の離婚——相手も既婚者なら、相手の側でも同じことが必要になる。こちらからは進め方に口を出せない
お金と子どもの取り決め——財産分与・養育費・親権・子どもとの交流を決める
慰謝料への備え——婚外関係が知られていれば、配偶者から自分と相手の両方が請求される可能性がある
再婚の届出——離婚が成立したあとに婚姻届を出す
気持ちが強いうちは「離婚さえできれば」と考えがちですが、実際に時間と負担がかかるのは2番目以降です。気持ちの整理については婚外恋愛で本気になったらで扱っています。
離婚の進め方と「有責配偶者」
離婚の方法は、夫婦の話し合いで決める協議離婚、家庭裁判所での調停、それでもまとまらないときの裁判があります。話し合いで合意できれば、離婚届を出すだけで成立します。
裁判で離婚が認められるのは、民法770条に書かれた理由がある場合に限られます。
注意したいのは、婚外関係をもった側(有責配偶者)から離婚を求める場合です。最高裁(昭和62年9月2日大法廷判決)は、有責配偶者からの離婚請求を認める条件として、相当長い期間の別居、未成熟の子がいないこと、相手方が離婚によって精神的・社会的・経済的にきわめて苛酷な状態に置かれないこと、を挙げています。
つまり、配偶者が離婚に応じないと、婚外関係をもった側から裁判で離婚を成立させるのは簡単ではありません。「相手と結婚したいから離婚したい」という理由だけで、すぐに離婚できるとは限らないということです。
慰謝料と時効
婚外関係が配偶者に知られた場合、配偶者は不法行為として、自分と婚外恋愛の相手の両方に慰謝料を請求できる可能性があります。相手も既婚者なら、相手の配偶者から自分が請求される可能性もあります。
離婚したあとに相手と結婚すると、それをきっかけに以前の関係が知られ、請求されることもあります。時効は「知った時から」数えるので、離婚から時間がたっていても請求される可能性は残ります。
慰謝料の仕組みは婚外恋愛の慰謝料、判例の詳しい内容はオープンマリッジと法律で扱っています。
財産分与・養育費・親権
離婚するときは、お金と子どものことを決める必要があります。2026年4月1日から改正民法が施行され、いくつかの点が変わりました。
財産分与は、離婚の原因がどちらにあるかとは別に考えるのが基本です。ただ、慰謝料の支払いと合わせて話し合うことが多く、婚外関係が原因の離婚では条件が厳しくなりやすいことは覚悟しておきます。
子どもがいる場合、親としての責任は離婚後も続きます。再婚相手との新しい生活と、子どもとの交流や養育費の支払いをどう両立するかも、決める前に考えておきたいところです。
再婚までの流れ
以前は女性に「再婚禁止期間」がありましたが、民法733条は削除され、2024年4月1日から廃止されています。今は男女とも、離婚が成立したあとすぐに再婚できます。
- 自分の離婚が成立する(離婚届の受理、または調停・判決の確定)
- 相手も既婚者なら、相手の離婚も成立する
- 財産分与・養育費・親権など、取り決めを書面に残す
- 婚姻届を出す
離婚の話し合いが長引くと、その間も婚外関係が続くことになります。別居中や調停中の交際がどう評価されるかは事情によって違うので、この段階で弁護士に相談しておくと判断を誤りにくくなります。
決める前に二人で話しておくこと
法律の手続きとは別に、婚外恋愛の相手と結婚生活を送ることは、会う時間が限られた今の関係とは性質が違います。
相手の本気度を言葉で確かめる——「いつか一緒に」という言葉と、実際に離婚の話を家庭で切り出しているかは別。期限のない約束は確かめにくい
お金の見通し——慰謝料・財産分与・養育費を払ったあとに、二人でどのくらいの生活ができるか
子どもとの関係——お互いの子どもとどう関わるか。相手の子どもにとって自分がどういう存在になるか
周りに知られること——再婚すれば、家族や職場に関係が知られる場面が出てくる
相手の家庭の状況を聞くときの注意点は相手の家庭の話をどこまで聞くか、関係の終わらせ方を考えるときはセカンドパートナーとの終わらせ方も参考になります。
まとめ
- 婚外恋愛の相手と結婚するには、まず自分の離婚が必要。相手も既婚者なら2組ぶん
- 婚外関係をもった側からの裁判での離婚請求は、長期の別居などの条件があり簡単ではない
- 配偶者から自分と相手の両方に慰謝料を請求される可能性がある。時効は知った時から3年
- 財産分与の家裁請求は離婚から5年。2026年4月から離婚後も父母双方を親権者にできる
- 再婚禁止期間は2024年4月に廃止。離婚が成立すればすぐに再婚できる
- 実際に進めるときは弁護士に相談する
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