オープンマリッジは
なぜ批判されるのか
オープンマリッジの話題が出ると、「理解できない」「気持ち悪い」という声と、「本人たちが納得していれば何が悪いの?」という声が、はっきり分かれます。どちらかに決めつける前に、反対する人と賛成する人が、それぞれ何を問題にしているのかを並べてみます。
意見が割れるのは「結婚の前提」が違うから
オープンマリッジへの賛否は、結局のところ「結婚とは何を約束するものか」という前提の違いから来ています。
どちらの前提も、それぞれの人にとっては自然なものです。議論がかみ合わないのは、相手の前提を確かめないまま、自分の前提で善し悪しを言い合ってしまうからです。
反対する人の主な言い分
結婚の意味がなくなる——お互いだけを相手にしないなら、結婚している意味がない。「それなら離婚すればいい」という声
本当の合意か疑わしい——片方が強く望み、もう片方が別れたくなくて受け入れているだけではないか
嫉妬は消せない——頭で納得していても、気持ちはついてこない。結局どちらかが傷つく
子どもへの影響——親の関係が子どもに知られたとき、どう受け止めるか分からない
健康上のリスク——性的な関係を持つ相手が増えれば、性感染症のリスクも増える
周りの目——親族・職場・ご近所に知られたときの影響は、夫婦だけでは引き受けきれない
「気持ち悪い」という感覚的な反発も、多くはこのどれかが元になっています。とくに「本当の合意か」と「嫉妬」は、賛成する側も認める難しさです。
賛成する人の主な言い分
隠れてするよりは誠実——黙って不倫するより、話し合って認め合うほうが相手に正直
家族を壊さずにすむ——恋愛感情の問題だけで離婚し、子どもや生活を巻き込むより、家族の形を保てる
一人にすべてを求めない——一人の相手にすべての役割を求めるのは無理がある。夫婦が補えない部分を外に持つ
本人たちの自由——他人に迷惑をかけていないなら、夫婦の決めたことに外から口を出すことではない
「なぜ離婚しないのか」という疑問への答えは、賛成する側の多くにとって「夫婦として続けたいことが別にあるから」です。子育て、生活、長年の信頼など、恋愛以外の部分で夫婦でいる理由があるという考え方です。
法律の上ではどう扱われるか
日本の法律には、オープンマリッジを認める仕組みも、禁じる仕組みもありません。ただ、民法770条1項1号は「配偶者に不貞な行為があったとき」を離婚の理由に挙げています。
夫婦で合意していても、その合意が後から争いになったとき、どこまで有効と見てもらえるかははっきりしません。「合意したのだから大丈夫」とは言い切れない、という点は賛成・反対どちらの立場でも知っておきたいところです。詳しくはオープンマリッジと法律で扱っています。
うまくいかなくなる典型的な場面
批判の多くは、実際にうまくいかなくなる場面と重なっています。
- 片方だけが外の相手を見つけ、もう片方が置いていかれたと感じる
- 外の相手に本気になり、夫婦で決めたルールより外の関係を優先し始める
- 最初に決めたルールが、話し合いのないまま少しずつ広がる
- 外の相手のほうが、自分が「二番目」であることに耐えられなくなる
- 子どもや親族に知られ、夫婦だけの問題ではなくなる
どれも、最初の合意より「その後も話し合い続けられるか」が分かれ目になります。ルールの決め方は婚外恋愛のルール、外の相手に気持ちが深まったときのことは本気になってしまったらで扱っています。
自分たちが考えるときに
オープンマリッジが向いているかどうかは、世間の賛否では決まりません。決めるのは夫婦二人です。
合意が対等か——どちらかが「別れたくないから」受け入れていないか
やめる道があるか——始めたあとに、どちらかが「やっぱり嫌だ」と言える関係か
知られたときの備え——子ども・親族・職場に知られたとき、どう説明するか
言葉の成り立ちを知ると、議論の前提が見えやすくなります。オープンマリッジの起源もあわせて読んでみてください。
まとめ
- 賛否が割れるのは、結婚が何を約束するものかという前提が違うから
- 反対の主な理由は、結婚の意味・合意の本気度・嫉妬・子ども・健康・周りの目
- 賛成の主な理由は、隠れてするより誠実・家族を壊さない・一人にすべてを求めない
- 法律は認めても禁じてもいないが、合意が後で争いになったときの扱いははっきりしない
- うまくいくかの分かれ目は、始めたあとも話し合い続けられるか
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